賛否両論あるトリックだが美しいミステリー! ロートレック荘事件 筒井康隆
読んだ理由
私がこの本を読んだ理由は最近ブックカフェにハマっておりランプライトブックスカフェで読んだ。ここはホテルの1階にカフェが併設されており旅とミステリーの本を中心に扱っている。静かでありとても読書に集中できるためオススメのカフェだ。
そのような場所に行くときには持参の本はもっていかないようにしている。その場所でしか出会えない本があると思うからだ。今回その本を選んだ理由は筒井康隆さんが書いた旅のラゴスが好きで、筒井さんが書いた本ならこの空間に合うだろうと思い手に取った。
あらすじ
夏の終わり、郊外の瀟洒な洋館に将来を約束された青年たちと美貌の娘たちが集まった。ロートレックの作品に彩られ、優雅な数日間のバカンスが始まったかに見えたのだが…。二発の銃声が惨劇の始まりを告げた。一人また一人、美女が殺される。邸内の人間の犯行か?アリバイを持たぬ者は?動機は?推理小説
史上初のトリックが読者を迷宮へと誘う。前人未到のメタ・ミステリー。
感想
私としてはまず設定からして好きである。優雅な生活を送る登場人物たちのちょっとした日常から事件へと繋がる怒涛の展開。このページ数にしてとてもよく描かれていると思う。商品紹介の下からネタバレを含めた感想を簡単に書いて終わりたいと思う。
ネタバレ↓
思い切ったトリックを使ったなと思います。身体障碍者の方を犯人として食事を運ぶエレベーターを使ったトリック、また同じ苗字といった叙述トリック。まず障害を持つ犯人というのはどこかかしこから批判が来てしまいそうで、そのようなトリックを用いた本は読んだことがあまりありませんでした。(鴉といった小説のトリックもそのような感じだった気がしますが)やはり日本人のどこかでタブーではないですがあまり使ってはいけないというイメージはあると思います。しかし僕には新鮮で面白かったです。苗字はインチキと言いますかそんな呼び方する?(笑)という気持ちはありますがストーリーも好きなので総じて楽しめました。またカフェの雰囲気にもあっていて余計面白かったです!