ぼっちと本のブログ

本を読み始めたものの本好きが周りにいないので始めました

新興宗教とミステリーが絡み合う 『慟哭』貫井徳郎

読んだ理由

  私は自分の知らない世界に興味がある。その一つとして宗教がある。知識は全くないがどのように出来ているのか、またその隠された世界にとても知的好奇心をくすぐられる。そういった中で宗教とミステリーが上手く混ざり合ったこの1冊に出会った。

 ただ宗教についての知識だけが欲しければもちろん他にオススメの本があるだろう。しかしその奇妙さとミステリーのドキドキ感が綺麗に融合している本はなかなか無いと思う。

 そんな宗教ミステリーを探している方には是非読んでほしい本だ。

 

あらすじ

 連続する幼女誘事件の捜査が難航し、窮地に立たされる捜査一課長。若手キャリアの課長を巡って警察内部に不協和音が生じ、マスコミは彼の私生活をすっぱ抜く。こうした状況にあって、事態は新しい局面を迎えるが……。人は耐えがたい悲しみに慟哭する――新興宗教や現代の家族愛を題材に内奥の痛切な叫びを描破した、鮮烈デビュー作。

 

以下ネタバレ↓ 表品紹介の下

 

慟哭 (創元推理文庫)

慟哭 (創元推理文庫)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ

 最後の怒涛の展開はとても面白かったです。確かに途中である程度結末はこんな感じかなあって思ってたらそれとはまた少し違った展開で楽しめました。最後に殺されそうになった娘が助かって良かったです笑

 官僚と現場との格差、違和感。また人間本当に立ち直れないことがあると少しでも都合の良い方に気持ちを持って行きたくなる様子や宗教の独特の雰囲気などデビュー作とは思えない読み応えだと思いました。